【宇宙誕生#1】ビッグバンとインフレーションの違いとは?

宇宙誕生1ビッグバンとインフレーション宇宙

こんにちは、ぴーなっつ(@peanutscoin)です!

いきなりですが宇宙の誕生と言ったらなにを思いますか?

ほとんどの人がビッグバンを思い出すのではないでしょうか?

 

逆に、

ビッグバンってなんのこと?」

と聞いたら

「宇宙の初めの大爆発のこと!」

と答える人がほとんどだと思います。

 

果たしてそれは本当に正しいのでしょうか?

この記事では現代の物理学の最大の難問「宇宙の誕生」に迫りたいと思います。

 

今回はその中でもビッグバンインフレーションについてご紹介しましょう!

 

【この記事でわかること】
・宇宙誕生の話
・ビッグバンとインフレーションの違い
・ビッグバンとは?時間は?
・インフレーションとは?時間は?
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宇宙誕生

そもそも宇宙の誕生とはどういったものなのでしょうか?

宇宙の誕生は現代物理学でも最大の謎とされています。

多くの物理学者が宇宙誕生のなぞについて仮説を提唱していますが、全てあくまで仮説であり実際にどのように宇宙が誕生したかはまだわかっていません。

 

その中でも有名な仮説の1つを紹介しましょう。

 

それが

宇宙は「無」から生まれた。

というものです。

 

聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

ここでいう「無」とは「物質」はもちろん「空間」もないということを指します。

空間がないということを想像することは難しいと思いますが、

生まれた瞬間の宇宙は原子(1mmの1000万分の1。約\(10^{-10}\)m)や原子核(1mmの1兆分の1。約\(10^{-15}\)m)よりも小さかったと考えられています。

この説では原子核よりも20桁ほども小さかった(約\(10^{-35}\)m)のではないかと考えられています。

 

ちなみにこの宇宙は「無」から生まれたとする仮説(無からの宇宙創生論)はアメリカの物理学者アレキサンダー・ビレンキン博士が1982年に提唱しました。

ビレンキン博士はこの仮説をただの想像で考えたのではなく、物理学を駆使(一般相対性理論と量子論)することで導き出したのです。

 

ビッグバンとインフレーション

最初に話しましたが、「宇宙の誕生」と言えばビッグバンだと思う人がほとんどだと思います。

一般的にはそのように浸透しているのですが、実際には皆さんが想像している宇宙の誕生に合う言葉はビッグバンよりもインフレーションが近いです。

 

その説明のためにそれぞれがどういったものなのか簡単に説明していきましょう。

インフレーションの概要

宇宙の誕生は物質も空間もなく(約\(10^{-35}\)m)、その後短時間で急激に大きくなったと言われるのがインフレーション理論です。

その時間は\(10^{-34}\)秒(1秒の1兆分の1の、1兆分の1のさらに100億分の1の時間)で、

その間に大きさは\(10^{43}\)倍(1兆の1兆倍の1兆倍のさらに1000万倍)にまで膨らんだとされています。

 

桁数が大きすぎて想像することが出来ないと思いますが、大丈夫です。

私も全く想像できません(笑)

 

そもそも宇宙の誕生の大きさが原子核よりもはるかに小さいので全くわかりません(笑)

 

この宇宙誕生からわずか\(10^{-34}\)秒に急激に大きくなった(\(10^{34}\)倍)ときのことをインフレーションと呼びます。

簡単にいうとインフレーションは宇宙誕生直後の急激な膨張ですね。

※ここでの数値はインフレーション理論の一つのモデルの数値です。インフレーション理論のモデルによって異なりますので目安程度に思っていてください。

 

【インフレーション】
宇宙誕生直後の急激な膨張
\(10^{-34}\)秒の間に\(10^{43}\)倍にまで膨張した。

 

ビッグバンの概要

しかし、インフレーションにも終わりがありました。

ある時を境に膨張速度は急激に遅くなっていったと考えられています。

 

そこで今まで膨張を引き起こしていたエネルギーが別のエネルギーに変換されたのです。

この時間は宇宙誕生から\(10^{-34}\)秒~\(10^{-4}\)秒の出来事だと考えられています。

このエネルギーの変換は物理を学んだことがある人なら理解できると思いますが、知らない人でも例えば、車が急ブレーキをかけたときにタイヤが熱くことを知っているはずです。それは「運動エネルギーが熱エネルギーに変換されたから」です。

 

では一体インフレーションを引き起こしていたエネルギーは何に変換されたのでしょうか?

 

それは「物質」「光」「熱」だと考えられています。

つまりインフレーションが終了して宇宙は物質と光が誕生し、高温の宇宙になったのです。

これが現代の宇宙論ではビッグバンだと言われています。

※この時の宇宙の大きさは1cm(センチメートル)程度

 

【ビッグバン】
インフレーションが終わったあとの高温の宇宙。
\(10^{-34}\)秒~\(10^{-4}\)秒
の間の出来事。

 

ビッグバンとインフレーション 提唱の歴史

最後にビッグバンとインフレーションが提唱された歴史を紹介します。

 

まず、ビッグバン1948年、ジョージ・ガモフによって提唱されたとされていますが、実際には紆余曲折あります。

次に、インフレーション1980年ごろアラン・グース博士によって名づけられました。東京大学の佐藤勝彦博士も同時期に独自に提唱しています。

この間に30年ほどの時間が掛かっていますね。

 

ビッグバンの提唱前20世紀前半の宇宙論では「宇宙は定常的なもの」と考えられていました。

しかし1927年ベルギーの天文学者ルメートルが一般相対論の方程式と渦巻銀河の観測結果から「宇宙の始まりは原始的原子の爆発から始まった」という説を提唱しました。

その後ガモフがルメートルの理論を発展させました。

 

ですが、そのビッグバン理論にも問題がいくつかあり、ガモフたち研究チームは結果を出せなかったのでチームも解散してしまいました。

 

その後インフレーション理論が提唱されビッグバン理論のいくつかの問題が解決されることとなりました。

まとめ

  • 宇宙の誕生は時間も空間もない「無」から。
  • インフレーションとは宇宙誕生直後の急激な膨張
  • ビッグバンインフレーション終了後の高温の宇宙
  • 歴史的にはビッグバンの提唱が先。

 

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