【宇宙誕生#2】陽子・中性子の誕生から原子の誕生まで【いつ?宇宙の大きさは?】

宇宙誕生2原子の誕生宇宙

こんにちは、ぴーなっつ(@peanutscoin)です!

 

 

前回こちらの記事でビッグバンとインフレーションについて説明しました。

【宇宙誕生#1】ビッグバンとインフレーションの違いとは?
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ビッグバンとインフレーションとは宇宙の誕生直後に起こったものです。

まずインフレーションで宇宙の空間が急激(加速度的)に大きくなり

ビッグバンでその加速が遅くなり膨張のエネルギーが熱などのエネルギーに変換されました。

 

その後宇宙誕生から\(10^{-4}\)(1万分の1)秒後、大きな変化が訪れます。

それは・・・

陽子や中性子の誕生です!!!

その後原子も誕生するのですが・・・

 

この記事ではそんな陽子や中性子の誕生について簡単に解説していきます。

 

【この記事でわかること】
・陽子と中性子の誕生はいつ?
・原子の誕生はいつ?
・これらの誕生の過程と宇宙の大きさ

 

宇宙誕生から約1万分の1秒後

それまで素粒子がばらばらに飛び交っている時代だった宇宙に大きな変化が訪れます。

それは陽子中性子の誕生です!

 

【陽子と中性子の誕生】

原子が誕生する前にまずは陽子と中性子が誕生しました。

では陽子と中性子の誕生はいつ頃だったのでしょうか?

それは宇宙誕生から1万分の1秒後だとされています。

(この頃の宇宙の大きさは0.01光年程度)

 

それまでばらばらに飛び交っていた素粒子どうしが結びついて(強い力・強い相互作用)陽子と中性子が誕生しました。

その理由は、宇宙の膨張によって宇宙の温度が1兆度程度まで下がってきたためです。

 

【陽子と中性子の構造(クォーク)】
素粒子の「アップクォーク」と「ダウンクォーク」が結びついてできた。『アップクォーク』正の電荷(電子の電荷の3分の2)
質量は電子の約4倍

『ダウンクォーク』
負の電荷(電子の電荷の3分の1)
質量は電子の約9倍

 

クォーク電荷質量
陽子アップ2個
+ダウン1個
+2/3 +2/3 -3/1
= +1
電子の約4倍
中性子アップ1個
+ダウン2個
+2/3 -1/3 -1/3
= ±0
電子の約9倍

陽子はプラスの電荷、中性子は電荷をもたない

と知っている人も多い方思いますが、それはクォークの数で説明できたんですね!

 

水素の原子核は陽子1個なので、この時宇宙で初めて水素という元素が生まれたということになります。

※水素原子(陽子の周りを電子が回っている状態)が誕生するのはもう少し後の話

 

宇宙誕生から約3分後

【水素以外の元素の誕生】

宇宙誕生から3分後に起こったイベントは「核融合反応」です!

それの意味するところは『水素以外の元素が誕生する』ということです。

これはこれはビッグイベント!

(この頃の宇宙の大きさは10光年程度、宇宙の温度は10億度)

 

【核融合反応】

(陽子・中性子の衝突⇒)原子核同士が衝突し融合する反応のこと。

それまで陽子や中性子がばらばらに飛び交っていてそれらが衝突・融合し、さらにその融合で出来た原子核同士も衝突しより大きめの原子核が出来ていきました。

 

【核融合反応の例】
1.「陽子」と「中性子」が融合
重水素の原子核2.「重水素の原子核」2つが融合
ヘリウム3の原子核+中性子3.「重水素の原子核」と「ヘリウム3」の原子核が融合
ヘリウムの原子核+陽子

 

核融合反応の終わり

そんな核融合反応にも終わりが来ます。

なんと、ビッグバンから20分程度経つと核融合反応は終わってしまうのです。

 

その理由は、核融合反応が起きるためには「高温かつ高密度」でなければならないからです。

 

もう少し詳しく見てみましょう。

飛び交っている原子核同士は正の電荷を帯びており近づいたら「通常は反発」してしまいます。

しかし、高温であれば原子核同士の運動量が大きい速度が大きい)ので衝突の勢いがあります。電気的な反発があっても原子核同士の速度がそれ以上に速いので衝突することができます。

【核融合反応の条件は高温高密度】
高温

原子核の運動量が大きい

原子核の飛び交う速度が速い

電気的な反発を超えて衝突出来る

 

その間にも宇宙は膨張を続けており温度も下がっていく(原子核の速度が遅くなる)ので原子核同士の正の電荷による反発の方が強くなって衝突が起こりにくくなったと考えられています。

 

核融合反応に終わりが来ると新たな元素は誕生しません。

このビッグバン後の核融合反応でできた元素は水素、ヘリウム、(ごくわずかな)リチウムであったとされています。

たったの3つだけなんですね!!

 

宇宙誕生から37万年後

【原子の誕生】

かなり時間が飛びましたが、宇宙誕生から37万年たってやっと原子が誕生します。

(この頃の宇宙の大きさは1000万光年程度)

 

核融合反応によって原子核が出来ていても宇宙がまだ高温のため、原子核と電子はばらばらに飛び交っていました。

高温ということは原子核や電子の速度が速いということです。逆に温度が下がってくると速度が遅くなり、原子核の正の電荷と電子の負の電荷が電気的な引力によって引き寄せられるようになります。

核融合反応の条件で説明したことの逆ですね。

「原子核が電子をキャッチする」といったイメージです。

原子核に捕まった電子は原子核の周りを回るようになります。

これが原子の誕生です。

 

宇宙の晴れ上がり

原子が誕生したことでビッグイベントが起こります。

それは今まで霧のように不透明だった宇宙が透明になったのです!

 

なんと原子が誕生する前は光はまっすぐに進むことが出来ませんでした。

なぜなら光は空間を進むと飛び交っている電子に衝突してしまい直進できなかったからです。

この状況は地球上の『霧』と同じような状況だと考えられています。

霧は「微細な水滴の集合であり光がその水滴にあたりまっすぐ進めないので、不透明で向こう側が見渡せない」という原理なのですが、

原子が誕生する前の宇宙は『電子』が霧で言う水滴の役割を果たし宇宙全体を不透明にしていました。

 

しかし原子が誕生したことによって自由に飛び交う電子がなくなり(宇宙の)霧が晴れたというこで

宇宙の晴れ上がり

と呼ばれています。

 

宇宙誕生から3億年後ごろまで

宇宙誕生から37万年後に原子が誕生したあと宇宙に大きな変化はなく3億年もの時間が経ちます。

この時までは恒星はもちろん天体と呼べるものは何一つ存在しておらず、ほとんどが水素とヘリウムの気体(ガス)が漂っているだけでした。

そのため、この時代は宇宙の暗黒時代と呼ばれています。

 

しかし暗黒時代は恒星や銀河が誕生する準備期間だったとされています。

それはなぜかというと水素やヘリウムのような気体にも質量はあります。

 

『質量があると何が起こるのでしょうか?』

 

それは万有引力(重力)が起こるということです。

また、宇宙誕生後の気体の分布は完全に均一ではなく、宇宙には『わずかなムラがあった』とされます。

ムラがあるとはガスが濃い部分(密度が高い)と薄い部分(密度が低い)があったということで、密度が高い部分には重力によって『周りのガスを引き寄せ密度が高くなり、また周りのガス引き寄せる』という循環が起きます。

このように宇宙全体で密度の高低が出来るようになります。

 

その後、密度が高いところで天体が誕生することになるのです。

この先の話は別の記事(【宇宙誕生#3】)で書くことにしますので、そちらもぜひ見てみてください!

 

 

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