【宇宙誕生#3】宇宙で最初の星とブラックホールの誕生はいつ?

宇宙誕生3ファーストスター宇宙

 

太陽や夜空に輝く星など自ら光る星を恒星といいます。

恒星は1つの銀河系に約1000億個以上あるとされています。

宇宙全体に銀河系が約2兆個もあるので、恒星の数は1000億×2兆個程度あることになります。

 

では宇宙が誕生してから最初の恒星はいつできたのでしょうか?

またそれはどんな特徴を持っていたのでしょうか?

 

今回はそんな宇宙で最初の星ファーストスターについて紹介します!

 

【この記事でわかること】
・宇宙で最初の星はいつできた?
・それはどんな特徴だった?
・核融合反応とは
・ブラックホールの誕生

宇宙誕生から37万年以降

宇宙が誕生してから37万年後に原子が誕生しました。

その後、「宇宙の暗黒時代」に形成されたガス(気体)のムラ。

ムラがあるとはガスの濃い場所もあれば薄い場所もあったということ。

 

原子の誕生までの詳細は下の記事をご覧ください。

【宇宙誕生#2】陽子・中性子の誕生から原子の誕生まで【いつ?宇宙の大きさは?】
こんにちは、ぴーなっつ(@peanutscoin)です! 前回こちらの記事でビッグバンとインフレーションについて説明しました。 ビッグバンとインフレーションとは宇宙の誕生直後に起こったものです。 ...

 

ガスにも質量があります。質量があるということはガスにも「重力」があるので、ガスが濃い場所はよりガスを集めて密度が高くなり、ガスが薄い場所はどんどん薄くなっていったとされます。

 

【宇宙の暗黒時代とは】
宇宙全体がほとんど「水素」と「ヘリウム」のガスが漂っているだけの時期
(宇宙誕生37万年~3億年)
宇宙の温度が下がってきて核融合反応も起きなくなっていた時期

 

ファーストスターの誕生

宇宙誕生から3億年後、ガスの濃い部分が集まって太陽の100分の1程度の塊となりました。

このガスの塊が1万年から10万年という単位でさらに周囲のガスを集めて巨大な恒星となりました。

これが宇宙で最初の星ファーストスターの誕生です。

※ファーストスターはガスの濃い部分の至る所で出来たとされています。

 

ファーストスターの特徴

宇宙で最初の星ファーストスター(第一世代の恒星)はどれも巨大であったとされています。

 

理由を説明します。

それは恒星とはどのようなものか?ということがヒントになります。

恒星は中心で起こっている「核融合反応」で発生するエネルギーで輝いています。

言い換えると、中心で核融合反応をしているから恒星であり、そうでなければただのガスの集まりです。

恒星=中心で核融合反応をしている

その核融合反応は「宇宙誕生#2」でも説明しましたが、「高温高密度」という条件が必要なのです。

 

しかしファーストスターは水素やヘリウムなどの軽いガスがほとんどであり、それらが集まっても中心が高密度になりにくいという問題があるのです。

つまりファーストスターの中心で核融合反応が始まるほど高密度になるためには「大量のガスが集まり、重力を大きくする必要があった」のです。

 

【ファーストスターが巨大な理由】
恒星は核融合反応をしている(前提条件)⇒核融合反応には「高温高密度」が条件⇒水素・ヘリウムだけでは「高温高密度」になりにくい。⇒巨大になり重力を大きくする必要がある

 

ファーストスターの質量は太陽の10~100倍もあり、温度は太陽の表面温度が約6000度に対してファーストスターは10万度もあったという研究もあります。

核融合反応とは

上でも書きましたが、ファーストスターの中心部では核融合反応が起きています。

 

核融合反応を具体的に見てみましょう。

核融合反応初期では水素の原子核からヘリウムの原子核が作られます。

言い換えると水素の原子核を燃料にしてヘリウムの原子核を合成しているということです。

 

しかし燃料である水素もいつか尽きてしまいます。その後はヘリウムの原子核を燃料にしてより重い元素の原子核が作られます。(炭素など)

 

これはフェースとスターに限らず現在の宇宙にある恒星でも(太陽でも)起こっていることで、軽い元素の原子核を燃料にしてより重い元素の原子核を生成し、燃料となる元素の原子核が尽きると次に軽い元素の原子核が燃料となりより重い元素の原子核が生成されるのです。

 

そのため恒星は「宇宙の元素を作り出す工場」などと言われたりします。

 

超新星爆発

ファーストスター(恒星)にも寿命があります。

【星の一生】恒星の最後の姿とは?
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恒星の最後はその質量によって変わってきますが、ファーストスターの場合は膨張して半径が元の100倍以上になったと考えられています。

 

膨張した恒星の中心に鉄(Fe)が出来ると核融合反応は終わりを迎えます。

これは鉄の原子核が最も安定した原子核なので、それ以上は核融合反応が進まないからです。

 

その後、核融合反応をしなくなった恒星は「超新星爆発」と呼ばれる爆発をおこして本当に恒星としては終わりを迎えます。

ファーストスターの場合は誕生から約300万年後に超新星爆発を起こしたとされます。

 

この超新星爆発によって恒星の中心にあった元素が宇宙にばらまかれることになります。

ファーストスターが誕生する前の宇宙では水素とヘリウムくらいしかなかったのですが、ファーストスターの超新星爆発によって宇宙にさまざまな元素が増えていったのです。

 

つまり地球上にある元素も私たちを構成する元素も元をたどれば恒星によって作られたものなのです。

どこか不思議な感じがしませんか?

 

ファーストスター(第一世代の恒星)の超新星爆発によってばらまかれた元素をもとにセカンドスター(第二世代の恒星)以降の恒星も作られました。

それらは超新星爆発を起こさない太陽程度やそれ以下の軽い恒星が多いとされています。

(ちなみに太陽の最後は赤色巨星と呼ばれるものになります。)

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ブラックホールの誕生

ファーストスターの超新星爆発の後にはブラックホールが出来ます。

 

ファーストスターに限らず超新星爆発を起こした後にはブラックホールが出来ます。

しかしそれには太陽の20倍程度以上の質量が必要で、それらの恒星の最後は必ず超新星爆発を起こし中心にブラックホールが出来ます。

つまり宇宙の歴史の中でブラックホールは常に作られてきたのです。

今でも宇宙のどこかでブラックホールが誕生しているかもしれません。

 

恒星の最後について詳しくは以下の記事を見てください。

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