【地学基礎】宇宙分野用語集3「太陽の進化」について問題形式アリ

宇宙

受験科目にもある地学基礎!

満点が狙える科目と言われており受験で使うならぜひ押さえておきたい科目です!

 

その地学基礎の宇宙分野「太陽系」についての用語を一緒に確認していきましょう。

【この記事はこんな人のため!】
・地学基礎を受験で使う予定
・地学基礎の「宇宙分野」の用語を覚えたい!
太陽の進化のことを詳しく知りたい!

最後に問題形式の用語リストもあるのでみてみてください。

 

地学基礎の宇宙分野は大きく分けると次の3つ

  1. 太陽の特徴について
  2. 太陽系について
  3. 太陽の進化について
  4. 銀河系と宇宙の構造について

その中でも今回は「太陽の進化」についての用語のみを紹介します!

 

「太陽の特徴」については下の記事をみてみてください!

【地学基礎】宇宙分野用語集1「太陽の特徴」問題形式アリ
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「太陽系」については下の記事をみてみてください!

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地学基礎「太陽の進化」について

等級

※「等級」は入試本番でも計算問題として頻繁に出題されます。

 

夜空に見える星はほとんど全てが恒星です。(恒星とは自ら光り輝く星のこと)太陽系では太陽が唯一の恒星ですね。

そんな恒星の明るさのめやすとして等級という単位が使われています。

等級は1等級、2等級と数えるのですが数が小さいほど明るいと定義されています。

ちなみに基準は0等級の「こと座のベガ」です。

【等級】
恒星の明るさのめやすの単位
数が小さいほど明るい

1等級と2等級の明るさの違いはどれほどなのでしょうか?

それは次のように定義されています。

【等級による明るさの違い】
5等級小さくなると明るさは100倍になる

では1等級違うと20倍違うのでしょうか?

実は違います。

5等級で100倍なので1等級だと\(\sqrt[5]{100}\) ≒ 2.51倍ほど明るさが異なります。

(2.51を5回掛けると約100になる)

 

中でもよく使われるのが見かけの等級と呼ばれるものです。

これは地球からみたときの星の等級のことです。

【見かけの等級】
地球からみたときの等級

「最初に説明した等級となにが違うの?」って思いましたか?

微妙に違います。

下の表をみてください。

恒星の名称見かけの等級
太陽ー27
シリウス(おおいぬ座)ー1.4
ベガ(こと座)0
ベテルギウス(オリオン座)0.42
デネブ(はくちょう座)1.25
アルタイル(わし座)0.76

これを見ると太陽が特別に明るい恒星のように思いませんか?

 

答えは「NO」です。

太陽は地球からの距離が近いので明るく見えますが、他の恒星は地球から距離がとてつもなく遠いので等級も最大で-1.4程度になってしまうのです。

先ほどの表にいくつか列を追加しましょう。

恒星の名称見かけの等級地球からの距離(光年)絶対等級
太陽ー270.000 0164.8
シリウスー1.48.601.4
ベガ025.030.6
ベテルギウス0.42642ー5.4
デネブ1.251411ー6.9
アルタイル0.7616.72.2

絶対等級とは恒星を地球から一定の距離に置いたときの明るさ

つまり絶対等級をみることで恒星自体が放つ明るさがわかります。

 

等級の問題

【等級の問題】
太陽と月(満月)の明るさは何倍違うか?
ただし太陽の等級を-27、月(満月)の等級を-13とする。
太陽と月の等級差を計算し明るさが何倍か計算する。
-27-(-13)=-14
つまり太陽の方が14等級明るい
————————
5等級差=100倍(覚える)
1等級差=約2.5倍(覚える)
————————
10等級差⇒100×100=10000倍=1×104
15等級差⇒100×100×100=1×106
14等級差⇒1×106÷2.5=4×104
つまり
答え:4×104

 

太陽の誕生と進化

太陽の誕生

太陽のつまり恒星の誕生を説明するにはまず下の用語を説明しないといけません。

用語を覚えて下さい!

星間物質

星間物質とは星間ガス固体微粒子のことをいいます。

星間ガス:恒星と恒星の間に存在する水素ヘリウム

固体微粒子:直径0.01~1μm(マイクロメートル)の

※1μmは1mmの千分の一

星間雲(せいかんうん)

宇宙の中で星間物質がほかの領域よりも濃く集まっている領域のこと

 

【星間雲の種類】

散光星雲(さんこうせいうん)

星間雲のなかでも近くの明るい星の光を反射して輝いて見えるもの

 

暗黒星雲(あんこくせいうん)

地球との間にある星間雲によって背後の星の光がさえぎられ黒く見えるもの

↓星雲の種類について詳しくは↓

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原始星

星間雲のなかでも特に密度の高い部分が自身の重力によって収縮することがあります。

 

収縮すると何が起こるのか?

それは中心の密度・温度が高くなり恒星が誕生します。

それを原始星といい、原始星の段階の太陽を原始太陽といいます。

また、原始太陽の期間は約300万年続いたとされています。

現在の太陽

主系列星

原始星がさらに自身の重力で収縮し、中心部の温度が約1000万K以上に上昇すると、中心部で水素(H)がヘリウム(He)に変わる核融合反応が起こります。

この核融合反応の核エネルギーで恒星は輝くようになります。

つまり原始星はまだ輝いていない星だったんですね。

 

この核エネルギーは恒星を膨張させるというはたらきもあります。

すると恒星自身の収縮させる力(重力)と核エネルギーの膨張させる力がつりあって収縮は止まります。

この段階の恒星を主系列星といい、恒星は最も長い期間この主系列星という状態にあります。

ちなみに現在の太陽はこの主系列星です。

太陽の寿命

現在の太陽は主系列星の状態はずっと続くのでしょうか?

 

答えは「NO」です。

太陽の場合だと主系列星の期間は約100億年と考えられており、現在の太陽は約46億歳なので残りはあと54億年(50~60億年)とされています。

逆に言えばあと50~60億年は太陽は現在のまま輝き続けるということです。

核融合反応では水素がヘリウムに変化しています。

 

つまり太陽では水素がどんどん減っているのです。

将来の太陽・太陽の最後

核融合反応が進むととなにが起こるのでしょうか?

太陽の中心部では水素が減り、ヘリウムが増えます。

水素は核融合反応の燃料です。その水素が減り続けるといつかは核融合反応が起こらなくなります。

 

さて、主系列星では「収縮させる力(重力)と核エネルギーの膨張させる力がつりあっていたので太陽の大きさは安定している」と説明しました。

しかし核融合反応が起こらなくなると膨張の力がなくなるので中心部は自身の重力で収縮します。

では太陽はどんどん小さくなっていってしまうのでしょうか?

答えは・・・そう「NO」です。

 

赤色巨星

中心で核融合反応が起こらなくなると中心部の外側で水素の核融合反応が起こるようになるのです。

つまり中心部の外側はまた膨張の力がはたらくので恒星が急激に膨張するのです。

その膨張した恒星を赤色巨星といいます。

 

赤色巨星は主系列星に比べ半径も明るさも大きな星です。

表面温度は約6000Kから3000Kに下がり明るさは約1000倍になると考えられています。

 

赤色巨星になったあとの中心部はどうなるでしょうか?

中心部は自身の重力で収縮しているので温度が上がります。

温度がどんどん上がり約1億Kに達するとヘリウムが核融合反応を起こします。

ヘリウムの核融合反応でできる原子は炭素酸素です。

この期間は膨張していた星も収縮に転じるのですが、ヘリウムも使い切って中心部が炭素や酸素の核になると再び膨張を始めるのです。

 

どんどん膨張すると太陽はどこまで大きくなるのでしょうか?

それは太陽は現在の約200倍にまで膨張すると考えられています。

どのくらいかというと水星はもちろん金星の軌道を超え地球のすぐ近くまで太陽がくるということです。

 

惑星状星雲→白色矮星

中心部でヘリウムがなくなると核融合反応は止まってしまいます。

赤色巨星はとても大きいので中心から遠い部分では重力の束縛から逃れることができるので外側のガスが流れ出します。

それによってできるのが惑星状星雲と呼ばれているものです。

↓星雲の種類について詳しくは↓

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さらに時間が経つとガスも失われ、中心部には白色矮星(はくしょくわいせい)と呼ばれる天体が残ります。

白色矮星は比較的高温また高密度で、大きさは太陽の1/100程度です。

 

白色矮星は核融合反応が停止しており徐々に暗くなっていく恒星の最後の姿です。

 

【太陽の進化】
星間雲

原始星

主系列星

赤色巨星(せきしょくきょせい)

惑星状星雲

白色矮星(白色矮星)

 

↓星の一生について詳しくは↓

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「太陽の進化」問題形式

等級
数が小さいほど明るい
※0やマイナスの値もある
5等級小さいと明るさは100倍明るい
1等級小さいと約2.5倍明るい
地球から見たときの等級
星間ガス固体微粒子
星間ガス:
恒星と恒星の間に存在する水素、ヘリウム
固体微粒子:
直径0.01~1μm(マイクロメートル)の
星間物質がほかの領域よりも濃く集まっている領域のこと
散光星雲:近くの明るい星の光を反射して輝いて見える星間雲
暗黒星雲:地球との間にある星間雲によって背後の星の光がさえぎられ黒く見える星間雲
星間雲の密度の高い部分が自身の重力によって収縮

中心の密度・温度が高くなり恒星(原始星)が誕生
中心部で水素(H)ヘリウム(He)に変わる核融合反応
(水素の核融合反応)
恒星を膨張させるはたらきがある
核融合反応による核エネルギーによる力(膨張)と
恒星自身の重力による力(収縮)がつりあって収縮は止まる
その段階の恒星を主系列星という。
今から約54億年(50~60億年)
※現在は約46億歳
水素の核融合反応は燃料となる水素がなくなれば起こらなくなる。
膨張の力がなくなり中心部は自身の重力で収縮する。
中心部で核融合反応が起こらなくなると次は中心部の外側で水素の核融合反応が起こるようになる。
⇒恒星が急激に膨張する。
その状態の恒星を赤色巨星という。
表面温度:6000K→3000Kまで下がり
明るさ:1000倍
中心部は自身の重力で収縮しているので温度が上がる。
温度が1億Kになるとヘリウムの核融合反応が起こる。
炭素酸素
中心部が炭素や酸素の核になる
⇒再度膨張を始める
現在の約200倍
太陽の大きさが水星はもちろん金星の軌道を超え地球のすぐ近くまで
惑星状星雲
白色矮星
温度:高温
密度:高密度
大きさ:太陽の1/100程度

 

 

問題は以上になります!

これを覚えれば地学基礎「太陽の進化」についての語句問題はできますよ!

次回は地学基礎「銀河系と宇宙の構造」について紹介します!

 

↓「太陽の特徴」について↓

【地学基礎】宇宙分野用語集1「太陽の特徴」問題形式アリ
大学受験の範囲に「地学基礎」「地学」というものがありますよね。 学校の授業ではやらないところが多いと思います。 しかし立派な大学受験の科目です! しかも! 基礎科目なら満点が狙える科目なのでしっかりと抑えてお...

↓「太陽系」について↓

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