こんにちは、ぴーなっつ(@peanutscoin)です!
今回のテーマは・・・
太陽の大きさは変わるのか!?
「え?変わるわけないじゃん!」
誰もがそう思うでしょう!
もちろん実際には変わりません(笑)
細かく言うと
「太陽の(地球からみた)見かけの大きさは変わるのか?」
ということを考えていきます!
見かけの大きさの変化
地球からみた太陽の見かけの大きさは地球からの距離によって変化します。
次の画像をみてください。
近くにいる人ものよりも遠くにいる人のほうが小さく見えませんか?
この現象、何か聞き覚えがありませんか?
そうです。遠近法(えんきんほう)と呼ばれるものですね!
この遠近法は地球から太陽を見てももちろん起こります。
つまり結論としては太陽の見かけの大きさは変わります。
ちなみに見かけの大きさのことを天文用語では視直径(角直径)といいます。
地球の公転軌道が楕円(だえん)
「でも地球は太陽から離れてどこかへ行っちゃわないから、大きさは変わらないんじゃないの?」
と思う人もいるでしょう。
確かに地球は太陽から遠ざかりどこかへ行くことはありません。
地球はずっと太陽の周りを回っていますからね。
しかしその回っている軌道が完全な円軌道ではないのです!
その軌道とは楕円軌道(だえんきどう)と呼ばれるもので、
円を押しつぶしたような形(卵のような形)です。
※楕円に対して完璧な円を真円(しんえん)と呼ぶこともあります。
『惑星の軌道は全て楕円軌道である』
これはケプラーの第一法則と呼ばれるもので、ヨハネス・ケプラーという人が17世紀に発見した法則になります。
それまでは惑星の軌道は真円であると考えられており、天動説から地動説が有力になる時期でもありました。このケプラーの観測結果に基づくこの法則によって地動説の優位性が確保されたとも言われています。
上のイメージ図からわかるように、地球は太陽の周りを楕円軌道することによって太陽地球間の距離が変化します。
距離が変化する=見かけの大きさが変化する
つまり地球から見た太陽の見かけの大きさが変わるんですね!
太陽の見かけの大きさが距離によってどれくらいかわるのか
では本題の「太陽の見かけの大きさはどのくらいか」について考えてみましょう!
まず、太陽の大きさ(直径)は地球の約109倍あります。
\(1.392×10^9\)m\( = 139万2000\)kmもあるんです!
地球から見た太陽の見かけの直径(視直径)は32’(32分角)
天文学では天体の見かけの大きさを視直径(角直径)というもので表す。
1’(分角)は1°の1/60であり、1″(秒角)は1°の1/3600である。
地球の公転軌道はどのくらい楕円なのか(近日点・遠日点の距離)
地球が太陽に一番近い時を近日点(きんじつてん)といい、一番遠い時を遠日点(えんじつてん)といいます。
近日点の時の太陽地球間の距離は\(1.471×10^8\)km
遠日点の時の太陽地球間の距離は\(1.521×10^8\)km
地球軌道が楕円であることにより生じる距離の変化は1.7%
その差は\(5×10^6\)km
⇒500万kmもの距離になります!!
近日点と遠日点
近日点と遠日点では距離の差が500万kmもありそれによって視直径も変化します。
具体的には
地球が近日点を通過する時(1月初旬)には視直径が32’32”となり、
遠日点(7月初)に31’28”となります。
視直径(角直径)の計算方法
視直径\(\delta\)(デルタ)は以下の式で計算できます。
\(d\):天体の直径
\(r\):天体までの距離
\(tan^{-1}\):アークタンジェント
この式からわかるように天体(太陽)の直径と天体(太陽)までの距離がわかれば視直径が求められるということになります。
実際に計算してみましょう!(近日点で計算)
天体(太陽)の直径 \(d\):\(1.392×10^9\)m\( = 1.39×10^6\)km
天体(太陽)までの距離 \(r\):\(1.471×10^8\)km
\(δ = 2tan^{-1}\left(\frac{1.39×10^6}{2×1.47×10^8}\right)\)
\( = 2tan^{-1}\left(0.473×10^{-2}\right)\)
※\(tan^{-1}\)の値は関数電卓を使って計算すると16’15”
\( = 2×(16’15”)\)
=32’30”
先ほど近日点での視直径は32’32”と紹介しましたので、3桁の計算では少しずれてしまいますがほとんど同じ答えが出ました!